先日、万年筆を購入した。
パソコンで、大かたメールでやり取りする今の世の中で、
逆行しているのかもしれないけれど、
美しい形状や色と、使っている人のコラムを読んでいるうちに、
万年筆らしい万年筆で字を書いてみたいと思ったのだった。
万年筆を初めて見たのは、
小学生の頃、週に一回通っていた、書道教室だった。
先生が、硬筆を習っている生徒に、朱色のインクを入れた万年筆で修正を施していた場面だった。
見たこともないペンで、遠くからまじまじとよく見つめたものだった。
ある時、もうインクがない!と言って、
別室にしばらく籠って、5分くらいだったろうか。
やっと帰ってきたときには、先生がホッとした表情をしていたのを覚えている。
今思えば、
それが万年筆で、多分ペン先は太字くらい、
そして、インク吸入器コンバーターか尾栓回転吸入式万年筆だったのだろうと推察する。
赤いインクが、ペン先からほとばしるように出て、
そこから先生の指の運びで、きれいな字や〇が現れるのが、
好奇心旺盛な私を、釘付けにした。
あれから何十年。
あの先生は、きっと粋でおしゃれだったのだろうと思う。
今まで、万年筆を購入したことがなかったわけではない。
低価格なものから、超高級なものまであるが、
万年筆のことをよく知らないうちは、高級なものを買う資格はないと思い、
カジュアルなものを数本手にしたことはある。
今も使っているのは、雑誌の付録についていたものと、
雑貨屋さんで購入した1500円程度の外国産のものだ。
この2本を使っているうちに、万年筆の良さや取り扱い方法が分かるようになり、
これでカジュアルでない、万年筆らしい万年筆を1本くらい手元に置いておいてもいいのではないかと思うようになった。
いろいろネットで調べて、1本に絞るのに、1年以上かかった(^^;)
こだわったのは、
・ペン先が金
・コンバータ式
・日本製
・外観
ペン先は、素材で書き味が変わるらしく、柔らかい金はどんな書き味なのだろうかと興味がそそられた。
日本製のものは、日本の文字を想定して作られているので、書きやすいのではないかと思った。
最初の一本は、錨マーク(アンカー)のあのメーカー。
外観は、形状の美しさ、色、で自分の好みで決めた。
ついでにインクも購入したのだが、
ボトルインクが100種類も出ているのだとか!
色選びの楽しみもあり。
本日、その万年筆が届いた。
早速手に取り、まじまじ、ニヤニヤしながら見る。
肝心の書き味は、、、なんとなくすらすら書ける感じ。
これから、いろんな場面で使っていけるといいなと思う。
誰かから手紙が来た際は、お返事はこの万年筆で早速書かせていただきたいと思う。