また、昔話がしたくなりました。
ちょっと長いのですが、良かったらお付き合いください。
私は、今から26年位前に、今までの人生の中で、ある種の大変な体験をしました。
状況からお話しすると、、、
私はナースで、病院の病棟で働いていました。
毎日、仕事や研究に明け暮れて、自分の時間がないくらいでしたが、
慣れるに従って、そこそこ自信もついてきて、それなりにやりがいを持って、
働いていました。
学会で論文を発表したり、
そこからつながって、雑誌に投稿したり。
同僚や上司との関係もよく、みんなで食事に行ったりするほど仲が良かったんですね。
このままここで頑張ってキャリアを積んでいけば、
一門の世間からも認められるような大人になれるかなと、
漠然と考えていました。
ところが。
出会ってしまったんです。。。
ナースになって4年目を迎えようとしていた、3月でした。
その人は、難しい癌の病気でした。
化学療法を何回かして、放射線治療をして、
最後には、手術もしました。
半年ぐらいで、何とか治療をひと段落終える退院することができました。
その人は、とても和やかでユーモアのある人でした。
私は、話をすればするほど、どんどん彼に惹かれていきました。
そういう気持ちとは裏腹に、戸惑いも大きくなっていきました。
自称、すごく常識的でまじめな人で、羽目を外すという意味が分からない人間でした。
(そういう風に育てられたんでしょうけど)
なので、ナースが患者さんを好きになってしまった、という事実は、
私にとって、あってはならない出来事だったのです。
すごく悩みました。
友人にも、もちろん家族にも相談できませんでした。
とうとう退院する日になり、
私は自分のプラスチックの名札の裏に、
ちょっとしたメッセージと連絡先を書いて思い切って渡しました。
私は、彼がこれから死に向かうかもしれないということを知っていました。
そんな彼を前にして、ナースの一人として対するか、
それとも、もっと彼のそばにいて、必要なことをして支えたいのか?
ということをしばらく考えて、、、
今の人間関係も、キャリアも、いろんなものに引き換えても、
彼のそばにいることのほうが、何ものにも代えがたいことだという結論に至りました。
羽目を外したことがなかった私にとって、とても大きな決断だったと思います。
でも、彼はその時点では、自分が置かれている状況は知らなかった・・・
退院して、ずいぶん経ってから連絡があり、二人で会うことになって、
お付き合いが始まりました。
それから、また、紆余曲折で、本当にいろんな出来事あったのですが、
結局彼は、癌が見つかってから、3年ほどで亡くなりました。
私は、廃人のようになりました。
2年間毎日泣いていました。
仕事も集中できずにいました。
何を目的として生きていけばいいのか、わからなくなっていました。
2年経ったころから、
自分がこんなことしていても、だれかが助けてくれるというのでもなく、
状況は変わらないということに気づいて、
気持ちを切り替えようかなという気が出てきました。
それで、泣くのをやめたんです。
徐々に、自分の活動範囲を広げて、自分をリハビリしていきました。
いろんなことをしてきました。
ホノルルマラソンに挑戦したり、
海外に語学留学したり、
オーストラリアの大学に編入したり。
今は、見えない世界を学問的に学んで、
さらに元気に生きています!!
今になって、思うのは、
彼が死んだとき、すごくつらくて、自分も死にそうだったのですが、
あの時の私の決断は正解だった、ということです!
もし、あの時、
他のスタッフ(ナース)からどんな目で見られることになるか、とか、
自分のキャリアが失われてしまう、とか、
告白しても、振られたらいやだな、とか、
彼の家族にどう思われるだろう、とか、
頭に浮かんだことを気にして、
ハートで感じていることを無視して、行動に移していなかったとしたら、
すごく後悔していたと思います。
決断した後も大変だったし、彼が亡くなった後も大変だったけど、
自分、よくやったな、とほめたいです。
自分のことを誇りに思います。
私、思うんです。
人間って、結構つまらないことを引き合いにして、悩んでるって。
本当はなにが大事か、みんなわかっているのに、
頭の中に浮かぶ、自分じゃない誰かのおしゃべりを聞いてしまって、
決断を鈍らせている。
本当の自分の本心で生きましょうよ!
気持ちいいですよ。大変なことももちろんありますけど。
でも、本心で生きることを積み重ねていくと、
自分の中に矛盾がなくなって、
自分が信頼できるようになって、好きになってきます。
出世がしたいですか? 何のために?
人からどう見られているのか気になりますか?
そんなの気にしてもきりがありません。
告白して、振られるかどうかは、告白しないとわかりません。
私、今日思ったんです。
この先、自分が肉体を去る時が来たら、その時、20代で経験したあの出来事を
どう感じるのだろうかって。
後悔はみじんもなく、やり切ったな、って、微笑んでいると思います。
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