コロナ禍で、ずっと行けなかった山。
山小屋には寝袋持参という噂も耳にしており、
なんだかんだで控えていた登山。
夏休み前の平日なら、空いているだろうと決行。
梅雨に逆戻りした雨続きで、天気予報も刻々と変わる。
1日目雨、2日目曇り、の予報で行く。
午後に立山駅に到着したのもあって、バスの中はガラガラ。
久しぶりのバスは、シートやテレビなどの高級感が増して快適でした。
霧がかかる中、バスは進む。
室堂に着くと、雨は降っているが視界はそれほど悪くない。
室堂周辺は、お花がたくさん咲き乱れていました!
最近は、梅雨明けを狙って、7月下旬以降に行くことが多かったのだが、
今回少し早めに来たことで、懐かしい花たちをみることができた。
雨ではあったが、気分を良くして進む。
翌日の雄山に向けて、一の越山荘へ向かう。
お花を見るのに足を止めたり、雪渓が8ヶ所あったので、
コースタイム1時間のところ、30分オーバーで到着。
人はいるが、かなり少なく、一人で一部屋を使った。
人に気を使わずに済むのでありがたかった。
天気は回復傾向で、夕方には、一の越からは、富山平野、富山湾が見えた。
夕陽に照らされて、反対側の山もこんなふうに。
日が落ちると、膝がガクガクするほど冷えて、フリースを持ってこなかったことを後悔。
翌日のご来光に期待して、早めに就寝。
目覚ましが鳴る前に目が覚めて、窓の外を見ると曇っている。
誰かこの暗闇の中、他に登る人がいないか耳を澄ますが…物音がしない。
暗闇で一人で1時間登るのは、さすがに怖いと思って、やめようと思った。
でも、だんだん明るくなって来て、気持ちが上向きになる。
準備して外に出ると、登る稜線に人はやはりいない。
しかし、下を見るとヘッドライトの明かりがいくつか見えて、こちらの方に向かってくる。
それがわかって、とうとう登り出した。
躊躇したせいで、コースタイム丁度の1時間しか日の出時間までない。
久しぶりの登山で、体力がどこまであるのか、自分で確かめながら登る。
途中、水分不足からか、何度も吐き気がして、
スポーツドリンクを時々補給して、紛らわす。
道を逸れることなく、無事に日の出時間4:44に頂上に到着。
しかし、ガスの中だった。
たった一人で、しばらく待つが、一向にガスが晴れず、諦めて下山となった。
下山途中で、一気にガスが晴れて、太陽が現れる。
懐かしの剱岳もその雄々しい姿を見せた。
山荘で朝食をとり、今回は足鳴らしとばかりに、さっさと下山した。
前日は、雨でじっくり見ていなかった景色や花をゆっくり見ながら歩く。
今年は、コバイケイソウもたくさん咲いていた。
可憐なお花がたくさん。
室堂に着くとまだ8時台。
みくりが池のほとりのベンチに座って、しばらくゆっくり景色を見ることにした。
立山は、どこを見ても本当に絵になる。
今の時期は特に、雪が所々に残っていて、緑とのコントラストが、また美しい。
18歳の時に、初めて立山に来たなあ…と物思いに耽っていると、
隣のベンチにいた女性が話しかけて来た。
このお姉さんは、室堂のホテルに住み込みで勤めている方で、今日はお休みで、散策しているのだと言う。
聞くと、息子さんと私は同じ歳で、このお姉さんは、私の母と同じ歳だった。
すごくお元気で、冬になれば長野のスキー場で、働いているのだと言う。
山での、こういった利害関係の全くない、山好きという共通点だけでの楽しい会話は、
山以外にはなく、ホッとする。
雪渓の上をすたすた歩き、今でもコースタイムで山は登ると言う、この強者のお姉さんは、
あっという間に私の視界から居なくなった。
その方と分かれて、歩いていると、見知らぬすれ違った人が、雷鳥がいると教えてくれたので、そこに向かう。
雷鳥は、本来お天気が悪い日にしか出てこない。
こんなラッキーなことは、そうない。
子供を2匹連れていた。
雷鳥は、私たちが手を出さないことを知っているので、脅かさなければ目の前にいても自分たちの好きなように過ごす。
雷鳥を見届けても、まだ10時台。
今度は、弥陀ヶ原にワタスゲを見に行こうと思った。
ワタスゲは、早い時期にしかない花で、ここ何年もさっぱり群生で見たことがなかったからだ。
弥陀ヶ原に着くと、ポスターに自然観察員が案内してくれるというのを目にして、飛びついた。
関西から来たという20代くらいの、一眼レフカメラを首から下げた女性お二人とご一緒した。
立山は初めてというお二人は、所々で足を止めて、カメラのシャッターを押しまくっていた。
私も、弥陀ヶ原でも、最近は見たことなかったお花がたくさん咲いていて、テンションが上がる。
白い可憐なタテヤマリンドウ。
解説員の方は、この花は天気が良くないと咲かないと教えてくれたが、あちこちにたくさん咲いていた。
そして、ゼンテイカもたくさん。
そして、お目当てのワタスゲも(^^)
ハクサンチドリ、テガタチドリ、ノビネチドリ、ハンサンボウフウ、タテヤマウツボグサ、イワイチョウ、ツガザクラ、などなど。
1時間があっという間で、お昼になったので、やっと帰る気になった。
お天気は不安定だけど、7月上旬あたりは、お花がたくさん見ることができて、お勧め。
次回からは、早めに山に行くとしよう。